活動経過報告

REPORT

懲戒処分の考え方(処分基準など)が新たに出る
  • 2020.08.10
  • NEWS

政治連盟では、10年前からこの懲戒処分基準について、運動を行ってきましたが、この度、従来から大幅に改善された基準が制定されました。 詳しくは、法務省ホームページに公開されていますが、ここでは法務省民事局二課の解説などを引用しながら重要な所だけ抜粋してご紹介します。

一点目は、司法書士法改正により、懲戒権者が法務局長から法務大臣に変更されたことです。
二点目は、会則違反についての懲戒処分の考え方です。
会則といっても様々な規定があり,依頼者等の本人確認についての規定のように重要性や社会的影響の程度が高いものも存在すれば,会員証の携行及び司法書士徽章の着用義務を定めた規定のようにその違反を理由に懲戒まで行うことは行き過ぎと思われるものも存在する。
そこで,会則に違反したという行為については,その全てが懲戒事由に該当するものではなく,特に懲戒処分による必要性が認められるものについて,会則遵守義務違反を理由に懲戒処分の対象となり得るとしています。

三点目は『登記申請人の 本人・意思確認義務違反』を理由とする懲戒です。
故意又は相当の注意を怠って「本人確認等の義務」に違反し,かつ,不実の登記等,経済的損失等の実害が生じた場合には,
司法書士等の基本的な職責に違反するものとして,懲戒処分の対象となり,これに該当する場合には,戒告又は1年以内の業務の停止とされている。
故意があったかなかったか、実害があったかなかったかなど従来と大きく異なり、具体的な違反行為の態様が示されました。

懲戒制度にとって大事なことは、違反した行為と下される処分のバランスが取れている事、並びに他士業の懲戒事例とのバランスが取れている事が必要です。
これまでは、実害等がないにも拘わらずに、形式的に訓令別表に抵触するということでの形式的な処分事例・不適切な処分事例が見受けられました。
また同種・同様の違反事例でも、弁護士と司法書士の処分例には、大きな差があり、司法書士の方が重罰でした。
もちろん、司法書士の懲戒は、軽ければ良いというものではなく、依頼者の信頼を裏切り実害を与えたり、司法書士制度への信頼を毀損するような行為に対しては、厳正な処分が必要であることは言うまでもありません。

法務省ホームページ